
唾液の役割は何と聞かれると、唾で潤すという点以外に思いつかない方も多いのではないでしょうか。唾液がお口や体にどのような影響を及ぼすかについてご紹介します。
唾液の役割とは?
唾液はお口の中を守るだけではありません。全身の健康を守るための役割も担っています。外部から侵入してこないように抗菌する作用も持ち合わせています。唾液には、下記の成分が含まれています。
- アミラーゼ/でんぷんを糖に変え、体内への吸収を促進する
- リゾチーム・ペルオキシダーゼ・ラクトフェリン/細菌やウィルスから防御する
- ムチン/食べ物を包むなど粘膜を保護し、感染症にかからないように保護する
- EGF/粘膜などの組織が傷つくと修復する
- 重炭酸塩・リン酸塩/歯垢(プラーク)の中の細菌が作った酸を中和する
唾液について
唾液は耳下腺(耳の前から下)、顎下腺(左右のあごの下)、舌下腺(正面のあごの下)から主に分泌されます。唾液の量は一日あたり1リットル~1.5リットル程度分泌されるものです。意外と多いと思われる方も多いでしょうが、お口の中を潤すためには一日にそれくらいの唾液の量が必要となります。唾液の機能としてはお口の中を潤すことがよく知られていますが、それ以外にも機能が多くあります。
- 食べ物の消化や咀嚼を助ける
- 食べ物の味覚を感じる
- お口の中を洗い流し中性に保つ
- 抗菌作用がある
- 初期むし歯を再石灰化する
- 衝撃を和らげる保護や潤滑作用がある
唾液をコントロールしている部分
唾液の成分はほとんどが水分ですが、どんな唾液でも分泌されていれば良いというわけではありません。ネバネバした唾液はドライマウスを起こしている可能性もあり、なるべくストレスや疲れのない規則正しい生活を心がけることをおすすめします。就寝時には唾液の分泌量が極端に減るため、夜寝る前に丁寧な歯磨きをしておかないと、口腔内で細菌の感染が広がってしまいます。唾液をコントロールしているのは、交感神経と副交感神経です。
- ストレスを感じている時は交感神経が働き、ねばねばした唾液が舌下腺より分泌
- ストレスを感じていない時は副交感神経が働き、さらさらした唾液が耳下腺より分泌
パーキンソン病やうつ病、花粉症などの薬を服用されている方、服用されている薬や体の状態によって、唾液が分泌されにくくなっているケースがあります。
唾液がないとお口はどうなる?
上記のような機能があるため、唾液がないとひどいドライマウスになります。とはいえ、唾液がないとお口はどうなるでしょうか。ドライマウスの症状を例にご説明します。
- お口の中やのどが乾いている
- お口の中が乾燥による痛みがある
- 会話をする時発音や話がしづらい
- 食べ物が口に張り付いてしまう
- 食べ物が飲み込みにくい
- 口臭がひどくなった
- 虫歯や歯周病になりやすい
唾液の分泌については30代以降どんどん減少傾向になり、加齢とともにどうしても減少します。そのため、お年を召した方が食べ物を噛んでむせてしまい、のどに詰まらせるという問題が起きるのは、オーラルフレイルになりやすい口腔内であるからです。
唾液の役割に関するQ&A
唾液の主な機能はお口の中を潤すことや食べ物の消化、咀嚼の助けですが、食べ物の味覚感知、お口の清潔維持、抗菌作用、初期むし歯の再石灰化、衝撃を和らげる保護や潤滑作用などもあります。
唾液にはアミラーゼ(でんぷん分解)、リゾチーム・ペルオキシダーゼ・ラクトフェリン(抗菌作用)、ムチン(粘膜保護)、EGF(組織修復)、重炭酸塩・リン酸塩(酸中和)などの成分が含まれ、消化促進や感染防御、組織修復、歯垢の酸の中和などの役割を果たします。
唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺から主に分泌され、一日に1リットルから1.5リットル程度分泌されます。
まとめ
健康な体を維持するために唾液は欠かせない役割があるとお分かりいただけたと思います。口臭がひどくなった等のお悩みがあれば、ドライマウスか、もしくは重度のむし歯で膿が出ているという可能性もあります。しっかり歯医者さんへ行って、状態を確認してもらいましょう。