矯正歯科

インビザラインでのゴムかけとは?

インビザラインでのゴムかけとは?

インビザラインはマウスピース矯正ですが、マウスピースを付ける以外に、歯を効果的に動かすためにゴムかけという処置が必要になる場合があります。

インビザラインでのゴムかけは何のために行うの?

インビザラインでゴムかけをするのは、治療中の歯の位置を調整したり、歯をしっかり動かすための矯正力を高め、歯を早く動かすためです。ゴムかけを行うと、マウスピースのみで歯後動かすのと比べて早く歯が移動します。

また、噛み合わせがずれている時に噛み合わせの調整のために行う場合もあります。

矯正治療で使用するゴムは「顎間ゴム」や「エラスティックゴム」という名前で呼ばれます。ゴムはごく小さいため、万が一誤って飲み込んでしまっても体外に排出されますので安全です。

エラスティックゴム

ゴムかけの方法と種類

歯をどのように動かすかでゴムかけには種類があります。症状に応じて以下のような種類があります。

  • Ⅱ級ゴム:主に出っ歯の改善に使用
  • Ⅲ級ゴム:受け口の改善に使用
  • 垂直ゴム:開咬の改善に使用
  • 交叉ゴム:奥歯の噛み合わせ改善に使用
  • 顎内ゴム:同じ顎内での歯の移動に使用

正しいゴムかけのやり方は、担当医や担当のスタッフから説明があります。

ゴムかけの際の注意点

インビザラインでゴムかけを行うには、以下の点に注意しましょう。

1. 1日の装着時間を守る

時計

担当医の指示に従って装着時間をしっかりと守りましょう。一般的には、マウスピースの装着時間と同じだけの時間ゴムかけをします。 マウスピースは1日22時間以上の装着が推奨されますので、ゴムかけも同じくらいの時間が必要です。

食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外した後、次に装着する時はゴムかけも忘れずに行わなければなりません。

2. 伸びたゴムは交換する

ゴムの弾力がなくなったら歯に力がかかりにくくなりますので、新しいゴムに交換します。

3. 予備のゴムを持ち歩く

外出時にゴムが切れたり失くしたりすることがあるため、予備を常に持って歩くことが推奨されます。

インビザラインのゴムかけは慣れるまでは負担になる?

インビザラインのゴムかけによって歯に圧力がかかるため、違和感や不快感を感じることもあります。ゴムかけの問題点は以下のようなものです。

1. ゴムの装着時間の長さ

インビザラインのゴムは、効果的な矯正治療のために1日に22時間以上装着することが推奨されています。これは1日の大部分を占める時間なので、忙しい毎日を送る患者さんにとっては負担になることがあります。

2. 食事や歯磨きの際の取り外しの手間

インビザライン治療では食事や歯磨きのたびにゴムとアライナーを取り外す必要があり、毎日繰り返し行う必要があるため、面倒に感じることがあります。また、取り外した後に再装着する手間もあります。

3. ゴムの圧力による違和感や軽い痛み

ゴムかけを行うと歯に一定の圧力をかけるため、慣れるまでの間は違和感や軽い痛みを感じることがあります。この感覚は患者さんによって異なますが、慣れるまでには少々時間がかかります。

4. ゴムの交換

ゴムは定期的に交換する必要があるため、新しいゴムを常に携帯する必要があります。外出時にゴムを忘れると、歯に十分な力をかけることが出来ず、治療の進行に影響を及ぼす可能性があります。

5. 見た目の問題

インビザラインは目立たない矯正治療法の一つですが、ゴムかけをしていると、それが目立ってしまう可能性があります。

これらの点は、インビザライン治療でゴムかけを行わねばならない不正咬合の患者さんにとっては、必ず体験する事柄です。これらの煩わしさを強く感じる患者さんは、早めに担当医やスタッフにアドバイスやサポートを求めましょう。

ゴムかけはどの位の期間行うの?

カレンダー

ゴムかけを行う期間は、症例によって異なりますので、担当医に確認しましょう。

治療の早い段階から終盤までの長期間にわたって継続されることもあれば、一時的に動きにくい歯を動かすために、調整として使用される場合もあります。

インビザラインのゴムかけをサボるとどうなる?

インビザラインのゴムかけは、マウスピースの装着時間と同じだけつける必要があります。つまり、1日22時間以上で、主に食事と歯磨きの時以外はマウスピースとゴムをつけたままということになります。

装着時間を守らないと、歯がしっかり動かず、矯正期間が延びたり、治療計画の通りに噛み合わせが整って行かないことになります。その結果矯正治療そのものが失敗する可能性もありますので、ゴムかけの時間はきちんと守りましょう。

インビザラインでのゴムかけに関するQ&A

インビザラインでのゴムかけとは何ですか?

インビザラインでのゴムかけは、マウスピース矯正において、歯の移動を効果的にするために使用される補助的な処置です。この方法では、特定の歯にゴム(顎間ゴムやエラスティックゴム)をかけて、歯の位置を調整したり、矯正力を高めることで歯をより早く動かすことが目的です。特に、噛み合わせの調整が必要な場合にも用いられます。ゴムは小さいですが、安全性が高く、誤って飲み込んでも体外に排出されます。

ゴムかけの種類にはどのようなものがありますか?

ゴムかけには、歯の動かし方や治療目的によって異なる種類があります。例えば、Ⅱ級ゴムは出っ歯の改善に、Ⅲ級ゴムは受け口の改善に、垂直ゴムは開咬の改善に、交叉ゴムは奥歯の噛み合わせ改善に、顎内ゴムは同じ顎内での歯の移動に使用されます。これらのゴムは、治療の目的や症状に応じて選ばれ、担当医やスタッフから指示された正しい方法で使用されます。

ゴムかけを行う際の注意点は何ですか?

ゴムかけを行う際には、特に以下の点に注意が必要です。まず、1日の装着時間を守ることが重要で、一般的にマウスピースと同じ22時間以上の装着が推奨されます。次に、ゴムが伸びたら新しいゴムに交換すること、そして外出時には予備のゴムを持ち歩くことが推奨されます。これらの注意点を守ることで、治療の効果を最大限に引き出し、問題を未然に防ぐことができます。

まとめ

インビザラインにおけるゴムかけは、歯列矯正治療の効果を高める重要な要素です。ゴムかけの正しい使用により、治療期間の短縮ときれいな歯並びの実現が可能になります。

インビザラインでのゴムかけは、治療計画に沿って慎重に実施し、指示された装着時間を厳守することが重要です。また、ゴムの交換が必要になった時の為、予備のゴムの携帯が推奨されます。

治療の進行に伴い、担当医からの指導に従ってゴムかけの方法や種類を適宜調整することで、最適な治療結果を得ることができます。

インビザライン治療におけるゴムかけについては、以下の2つの論文から洞察を得ることができます。

1. 【Xu et al. (2022)】は、インビザラインのクリアアライナーを使用する患者の経験について調査しました。この研究では、治療の初期段階と後期段階での患者が実際に使用した印象が異なり、特に初期段階での印象がより悪く不快感が強いことが示されています。ゴムの使用に関しては、治療の後期段階でゴムが必要な場合、患者の生活の質に重要な影響を与えるとされています。

2. 【Rongo et al. (2022)】の研究では、成人患者のクラスII不正咬合に対するインビザラインアライナーとエラスティクス(ゴム)を用いた治療の歯科効果を評価しました。この研究は、オーバージェットの減少、上顎切歯の後退位置、下顎切歯の傾斜の良好なコントロール、および臼歯関係の改善が観察され、クリアアライナーとエラスティクスを使用した治療が有効であることを示しています。

これらの研究から、インビザライン治療におけるゴムかけは、特に治療後期の段階で重要な役割を果たし、特にクラスII不正咬合の治療において重要な効果をもたらすことが示されています。

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