インプラント

インプラント治療のメリットとデメリットについて教えて

インプラントの模型

インプラント治療は失った歯を補うための治療で、多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。抜歯後の治療をどうするか検討されている方に向けて、インプラントの長所と短所の両方をご説明します。

インプラントとはどんな治療ですか

インプラントの構造

歯科インプラントとは歯を失ったあと、あごの骨(顎骨)にチタン製のインプラント体(人工歯根)を埋め込んで失った歯を補うための治療法です。

インプラントは基本的には3つのパーツから出来ており、大きく分けると①インプラント体の埋入(一次手術)②アバットメントの取り付け(二次手術)③上部構造の取り付けの順で治療が進んでいきます。

インプラント体はチタンまたはチタン合金でできており、大きさは直径約3~5mm、長さ約6~18mmで、インプラントを埋入する位置や顎骨の状態などにより、患者さんにピッタリの太さや長さを担当医が選びます。

インプラントのメリット

インプラント治療の長所は次のようなものです。

メリット1:しっかりと良く噛める

インプラントは埋入後数か月で歯槽骨と結合して固定されます。そのため噛む力はとても強く、硬いものもしっかりと噛めます。

メリット2:天然歯と同じように食べ物を味わえる

インプラントは入れ歯やブリッジと違って、失った歯をそのままの形で補う構造になっています。そのため食べ物の感触や味を今まで通り味わうことが出来、食べたいものを何でも美味しく味わえるようにになります。

メリット3:自然で美しい仕上がり

インプラント体とアバットメントは歯茎の中に埋まっていますので、実際に歯茎の上に見えるのは上部構造の部分だけです。上部構造をオールセラミックやジルコニアセラミックで作ると、天然の歯と見分けがつきにくいくらい自然な色で作製することが出来ます。

上部構造は歯科技工士が一つひとつ手で仕上げますので、形も天然歯をしっかりと再現した形状になり、天然の歯と比べても全く違和感がありません。

メリット4:歯槽骨が痩せるのを防ぐ

歯が抜けた後、入れ歯やブリッジで治療すると、どうしても歯槽骨が吸収されて痩せてしまいます。これは、失った歯の骨の部分に噛む力が加わらないことが理由です。インプラントの場合は天然歯と同じように歯根(人工歯根)をもっていますので、噛む力が骨に伝わり、歯槽骨が吸収されて失われることを防いでくれます。

メリット5:発音に影響を与えない

入れ歯の場合に、空気が漏れて発音がしにくくなる場合があります。

上顎の入れ歯の場合、上顎の内側をプラスチックの義歯床で覆ってしまうとサ行やタ行の発音がしにくくなります。床が金属の場合は発音への影響は少ないです。

下顎の入れ歯の場合は、義歯床が舌の動きを邪魔するため、ナ行やラ行の発音がしにくくなります。

しかしインプラントは顎骨に固定されていて、固定するための余分なパーツがないため、発音に影響を与えることはありません。

インプラントのデメリット

インプラント治療の短所をあげていきましょう。

デメリット1:外科手術が必要になり治療期間が長い

インプラント治療には外科手術が必要になり、その後インプラント体が骨と結合するのを数か月間待ってアバットメント、上部構造を取り付けます。埋入位置や本数によって個人差はありますが、目安としては3~10ヶ月程度の治療期間が必要になります。

インプラントを埋め込むための骨が足りない方は、骨造成と呼ばれる増骨の為の処置が必要になり、骨がしっかりと出来るまでの間、更に数か月治療期間が延びます。

また、インプラント治療では、人工歯根を埋め込むために歯槽骨に穴を開ける外科手術が必要になります。歯科医院では万全を期して手術を行いますが、手術の際には神経や血管を傷つけたり、細菌感染などの合併症を起こすリスクがあることも理解しておきましょう。

デメリット2自由診療なので治療費が高額になる

インプラント治療は基本的には健康保険が適用されない自費診療になります。そのため治療費は全額自己負担となり、医療機関によって違いがありますが、上部構造を含めて1本のインプラントで30万円~50万円程度の治療費がかかります。

増骨の手術や静脈鎮静(セデーション)と呼ばれる静脈麻酔が必要な場合は、上記の治療費にプラスされます。

なお、インプラント治療は高額医療費として認められていますので、確定申告の際に申告をすれば(1年間の医療費が10万円以上200万円まで)医療費控除を受けられます。

デメリット3:治療が出来ない場合がある

循環器系の疾患をお持ちの方は、インプラント治療が出来ない場合があります。例として、高血圧症、心疾患、脳血管障害、糖尿病、骨粗しょう症、消化器疾患、ウイルス性疾患、腎機能障害、血流疾患などの持病のある人は、治療が出来ない場合や、持病のコントロールが必要な場合があります。

持病をお持ちの方は、持病の主治医の先生とも話し合いながらインプラント治療を進めていくことになります。

【動画】上あご側切歯へのインプラント埋入

まとめ

失った歯を補うための治療には、インプラント以外に入れ歯、ブリッジがあり、それらにもメリットとデメリットがあります。治療を選ぶ際の優先順位を決めて、メリットとデメリットを比較検討し、患者さんご自身に最適な治療法を担当医と相談しながらお決めいただければと思います。