こども

子供の指しゃぶりは歯並びに影響する?やめさせるべき理由と対処法

子供の指しゃぶりは歯並びに影響する?

「子供の指しゃぶりは歯並びへの影響のためにもやめさせるべき?」
この疑問に対しての答えは「はい、できるだけ早くやめさせるべき」です。

指しゃぶりは赤ちゃんにとって安心材料のひとつですが、長く続くと歯並びや顎の発育に悪影響を与えることがあります。この記事では、特に3歳以降の指しゃぶりがもたらすリスクと、やめさせるための具体的な工夫について、歯科の視点からやさしく解説します。

この記事はこんな方におすすめ!

  • 子供の指しゃぶりが気になる保護者の方
  • 歯並びへの影響が心配な方
  • 無理なくやめさせる方法を知りたい方

この記事を読むとわかること

  1. 指しゃぶりが歯並びにどう影響するか
  2. やめるべき時期とタイミング
  3. 子供へのやさしいやめさせ方

指しゃぶりは歯並びに悪影響を与えることがある

指しゃぶりの習慣は、特に永久歯への生え変わり期に影響を及ぼす可能性があります。

乳幼児期の指しゃぶりは自然な行動ですが、これが3歳を過ぎても続くと、次のような問題につながることがあります。

  1. 上の前歯が前に出る(出っ歯)
  2. 上下の前歯がかみ合わない(開咬)
  3. 顎の発育バランスの乱れ

その結果、将来の不正咬合の原因となり、矯正治療が必要になることもあります。

指しゃぶりが与える「力」とは?

指しゃぶりによって指が口の中に入ると、前歯や上あごに繰り返し力がかかります。特に影響を受けやすいのが上の前歯。指が前歯を押すことで、歯が前方に傾きやすくなります。

  1. 前に出る力(前突)
    → 上の前歯が外向きに出て、出っ歯のようになる
  2. 上下の歯の間にできる隙間(開咬)
    → 上下の前歯がかみ合わなくなり、隙間ができる

指が常に口に入っている状態が続くと、口の周囲の筋肉バランスにも悪影響を及ぼします。例えば、口を閉じる力が弱くなったり、舌の位置が不安定になったりすることで、かみ合わせ全体に悪影響が出ることもあります。

「乳歯だから大丈夫」は間違い?

「乳歯は生え変わるから指しゃぶりの影響は心配いらない」と思われがちですが、乳歯列期にかかった力は、顎の骨の成長方向にも影響を与えます。

つまり、歯が生え変わっても、顎の形そのものがゆがんでしまうと、永久歯の歯並びにも問題が出るリスクが高まります。

歯並びの乱れだけじゃない!他にもある悪影響

歯並びだけでなく、以下のような影響も出る可能性があります:

悪影響 内容
発音障害 「さ行」「た行」などの発音が不明瞭になる
嚥下異常 舌の使い方が不自然になり、飲み込みがぎこちなくなる
鼻呼吸の妨げ 指しゃぶりによる口呼吸の習慣がつくこともある

成長期は「骨格」にも影響を与える

指しゃぶりは、単に「歯」だけでなく、「骨格の成長」にも関係しています。3歳〜6歳ごろの子供の顎の骨は、やわらかく、外からの力の影響を受けやすい状態。

特に上顎は、指による「上方向」「前方向」の力を受けやすく、成長にゆがみが生じやすくなります。放置すると、口元全体のバランスが崩れることもあります。

長引く指しゃぶりは、将来の歯並びや口腔機能に関わる重要な要素です

  • 指しゃぶりが長引くと、出っ歯・開咬・顎のゆがみなど、さまざまな不正咬合のリスクがあります。
  • 乳歯の時期でも骨格に影響を与えるため、歯が生え変われば治るというわけではありません。
  • 歯並びだけでなく、発音・嚥下・呼吸といった機能にも悪影響が出る場合があります。

お子さんの指しゃぶりに気づいたら、あたたかく見守りながら、少しずつサポートしてあげることが、将来の健康な歯並びと口元の成長につながりますよ

悪影響が出やすいのは3歳以降

幼児期のうちにやめることが望ましく、特に3歳以降は歯並びへの影響が現れやすくなります。

指しゃぶりが一時的であれば問題は少ないですが、以下のようなタイミングを過ぎると、歯や骨の形に影響を与えるリスクが高まります。

  • 3歳頃 → 上下の乳前歯がかみ合い始める時期
  • 5歳頃 → 永久歯の準備が始まり、顎の発達も加速
  • 6~7歳 → 永久歯の萌出が始まる時期

このように、成長の段階に応じて、影響の度合いも変わってきます。

どんな歯並びのトラブルが起こるのか

指しゃぶりによる圧力が、前歯や顎の形に影響を与えてしまいます。

代表的な歯並びのトラブルは「出っ歯」と「開咬」です。

代表的なトラブルの例

トラブル名 内容 原因と関係
出っ歯(上顎前突) 上の前歯が前に傾く 指をくわえることで前方に圧がかかる
開咬 上下の前歯がかみ合わない 指が常に前歯の間にある状態が続く
上顎の狭窄 上顎が横に広がりにくい 指の押し上げによる骨格発達の妨げ

これらの症状は、発音や咀嚼(噛む)にも悪影響を及ぼし、将来的に矯正治療が必要になるケースも少なくありません。

やめさせるための具体的な工夫

無理なく自然にやめられる工夫を、年齢や性格に応じて取り入れましょう。

 怒ったり強制するよりも、肯定的なアプローチが効果的です。

やめさせるための主な方法

  1. 「卒業する日」を子供と決めてカレンダーに記入する
    → 子供に自分でやめる意志を持たせられます。
  2. 寝る前の代替手段(ぬいぐるみを抱かせるなど)を用意
    → 安心感を得る手段を変えることで、指しゃぶりをやめやすくなります。
  3. できた日にはシールや褒め言葉でごほうびを
    → 成功体験がやる気につながります。
  4. 指に絆創膏を貼って気づかせる
    → 無意識の指しゃぶりを意識させる効果があります。

これらは、子供の自主性と安心感を守りながらやめさせるためのアプローチです。無理に叱ると逆に不安が強まり、習慣が長引くこともあるので注意しましょう。

指しゃぶりは「無理やりやめさせる」よりも、子どもが納得して“卒業”できる工夫が大切です。お子さんの性格をふまえて、“褒める関わり”や“卒業日カレンダー”など家族と一緒に楽しく取り組むことを推奨しています。成功体験を積むことで、歯並びだけでなく自己肯定感も育まれると私自身実感しています。

焦らず親子で乗り越えるための心構え

指しゃぶりをやめるには、親の接し方も大切なポイントです。

子供の気持ちを尊重しながら、根気強く取り組むことが大切です。

指しゃぶりは安心のサインでもあります。やめさせることに焦って、

「まだやってるの?」

「もう赤ちゃんじゃないでしょ」

などの否定的な言葉をかけると、逆効果になることがあります。
子供の不安やストレスを減らす環境づくりと、前向きな声かけがとても大切です。

歯科医院での相談も大切な選択肢

どうしてもやめられないときは、歯科医院に相談してみましょう。

専門家のアドバイスで、より適切な対処ができます。

歯科医院では、

  • 指しゃぶりによる歯並びの影響の評価
  • 必要であればマウスピースなどの装置の提案
  • 保護者への対応アドバイス

など、専門的なサポートが受けられます。長引く指しゃぶりに不安を感じたら、早めの相談が安心につながります。

まとめ

指しゃぶりは、3歳以降は歯並びへの影響を考えてやめさせるべき習慣です。
子供の気持ちに寄り添いながら、焦らず少しずつ進めていくことで、自然とやめられる可能性が高まります。そして困ったときには、歯科医院も力強い味方です。

なんばクローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック