矯正歯科

大人が矯正治療を受けるメリットとは?

大人の女性

大人になってから矯正治療で歯並びを治すときに、大人ならではのメリットがありますので、ご説明します。

大人が矯正治療をするメリット

メリット大人になるともう歯並びが出来上がってしまっていますので、歯を動かすスペースが全くないのが普通です。そのため、歯をきれいに並べるために歯列を横に拡大したり、小臼歯を抜いたりして歯が動くスペースを作る必要があります。

矯正治療を始めると、装置の調整や交換時に多少の痛みや締め付け感を感じ、装置によっては歯みがきもしにくくなりますが、それでも矯正治療には大きなメリットがあります。
見た目が美しくなることが歯列矯正の大きなメリットですが、他にも大切なメリットがあります。個人差はありますが、40代以降になると徐々に歯列や歯と歯茎の間に段差が出来るようになってきます。これは加齢のせいでもありますので、ある程度は仕方のないことなのですが、それによって歯みがきをしても磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭も発生するようになります。

歯並びが良くなると審美性の向上が注目されがちですが、それだけではありません。歯並びが整って歯のデコボコがなくなると歯磨きがしやすくなり、磨き残しが少なくなります。その結果、歯垢や歯石ががたまりにくくなって虫歯や歯周病の予防につながります。

歯列矯正では見た目が美しくなることはもちろんですが、歯がしっかりと噛み合うように、バランス良く歯が並ぶことも大きな目的です。噛み合わせのバランスが改善することで、睡眠時に歯ぎしりや噛み合わせがあった方は軽減が期待できます。

大人の矯正の装置とは?

矯正装置には様々なものがあります。患者さんの歯並びの状態だけでなく、生活習慣によっても最適な装置が変わってきます。大人の矯正は、ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正などの装置で行います。

ワイヤー矯正・ホワイトワイヤー矯正

ホワイトワイヤー矯正

一般的に使われるものは歯にワイヤーとブラケットという矯正装置を取り付けるものです。当院ではセラミック製の白いブラケットを使っており、歯の色に馴染んで目立ちません。銀色のワイヤーが嫌な方には、別途費用がかかりますが白いものをご用意できます(ホワイトワイヤー矯正)。

ワイヤー矯正は矯正治療の中では治療費が一番安く、どんなタイプの不正咬合でも確実に歯を動かすことが出来ることがメリットです。その反面、歯磨きがしにくく歯に汚れが残りやすくなったり、ワイヤーを取り替えた際には痛みが出るなどのデメリットがあります。

ワイヤーとブラケットは固定式で、器具を患者さんご自身で外すことは出来ません。治療中に結婚式や卒業式、成人式などを迎えられ、写真撮影時に装置を外したい時は、料金がかかりますが歯科医院で一時的に外すことは可能です。

マウスピース矯正 インビザライン

インビザライン

近年マウスピース型の矯正装置が良く使われるようになりました。マウスピース型の矯正装置には様々な種類がありますが、当院では不正咬合の難症例への対応の可能性が高いインビザラインを採用しています。マウスピースは透明で目立ちませんので、見た目を気にする必要がないというメリットがあります。

当院ではインビザラインという名称のマウスピース矯正装置で治療をします。食事や歯磨きの際にはマウスピースを自分の手で外せますが、1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が短いと治療計画通りに歯が動かず、歯が動くのが遅くなった分だけ治療期間が長くなる恐れがあります。

裏側矯正

裏側矯正インコグニト

歯の裏側にワイヤーとブラケットを取り付ける裏側矯正も人気があります。表側のワイヤー矯正と比べると治療費が高くなりますので、折衷案として上の歯を裏側矯正で、下の歯をワイヤー矯正で治療する患者さんも多くおられます。

当院で使用している裏側矯正の装置はインコグニトという名称で、オーダーメイドで作製され、歯の裏側の形状にぴったりと合わせて作るため、従来の裏側矯正の装置よりも薄く作れます。

虫歯の治療痕やインプラントがあっても矯正可能?

大人の方は、今までに歯の治療を受けたことのある方が殆どだと思います。虫歯の治療で詰め物や被せ物をした歯や、神経を抜いた歯、インプラントがある場合に、矯正治療は出来るのだろうかと心配になられるかもしれません。それぞれについてご説明します。

被せ物をした歯(差し歯)

前歯の被せ物は審美的な理由の為に本来の歯の形を大きく変えている場合がありますので、歯の根の位置と被せ物の形をしっかり把握したうえで、矯正治療が可能かどうかを判断します。矯正治療に向かない被せ物の場合は、一旦被せ物を外して仮歯で矯正治療を行い、歯列が整ってから改めて型を取り、被せ物を作製します。

神経を抜いた歯

歯は、歯根膜が健全であれば動かすことが可能です。神経を抜いた歯は歯自体がもろく弱くなるので、矯正で力をかけても大丈夫だろうかと思われるかもしれませんが、歯の移動には神経の有無よりも歯根膜の状態が大きく関係します。

過去に事故や外傷などが原因で神経を抜くことになった場合は、歯根膜が傷ついて骨と癒着してしている可能性がありますので、注意が必要ですが、通常は神経を抜いた歯であっても問題なく動かせます。

インプラント

インプラントは抜歯した部分に人工歯根が骨にしっかりと埋まっています。矯正治療で動かすことが出来ません。そのため、インプラントの歯は動かさず、他の歯を動かして歯列を整えていきます。インプラントがどの位置にあるかにもよりますが、殆どの場合、問題なく歯並びを整えることが可能です。

大人の矯正と子どもの矯正の違い

親子のイメージ

大人の歯科矯正は子供の矯正と全く違います。子供はまだ顎が成長段階にありますので、より歯並びが整うように顎の骨格を成長させていくという方法がとられ、細胞が若々しいため歯も動きやすいのですが、大人は既に骨格が出来上がっており、しっかりと力をかけて歯を動かしていきます。

全顎矯正になると矯正装置を付けて二年程度かかることが多く、その間は歯磨きがしにくかったり、締め付けられるような違和感があったりと、ご本人の努力や我慢が必要になります。

子供の場合はすぐに矯正装置に慣れてしまう子と、嫌がって途中でやめてしまう子に分かれますが、大人の矯正では矯正の必要性や目的がはっきりしていますので、途中でやめてしまうということが少なく、大人の矯正患者さんはむしろ治療に積極的であるということも、大人の矯正治療においては大きなメリットとなります。

まとめ

歯の矯正は、単に見た目を良くするためだけのものではありませんが、多くの患者さんにとって出っ歯や叢生などの「口元のコンプレックスの解消」が治療を始めた大きな動機になっていることは事実です。

長年気になっていたお口のコンプレックスが解消することで気持ちが明るく前向きになったり、積極的に会食を楽しめるようになったり、人前に出ていくのが楽しくなったりと、矯正治療を終えた患者さんには様々な変化が見られます。

一つ共通しているのは、どの患者さんも歯並びをきれいに治したことをきっかけに、きれいになられ、人生を楽しめるようになられたということです。矯正治療はこれからの人生をより価値のあるものにするためのきっかけになってくれます。