歯と口のトラブル

歯ぎしり・食いしばりが歯に与える影響とその対策とは?

歯ぎしり・食いしばりが歯に与える影響とその対策とは?

知らないうちに歯をすり減らしていませんか?

朝起きたときに「顎がだるい」「歯が浮いたように感じる」「被せ物が取れやすい」…そんな症状を感じたことはありませんか?
それ、もしかすると歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。

実は、多くの人が無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしているといわれており、自覚がないまま歯や顎にダメージを蓄積させてしまっているケースが少なくありません。

このコラムでは、

  • 歯ぎしり・食いしばりが歯に与える具体的な影響
  • 放っておくとどうなるのか?
  • ご自宅でできるセルフケアと歯科医院での治療法

などをわかりやすく解説します。

大切な歯を長く健康に保つために、まずは「気づくこと」から始めてみませんか?

気づかぬうちに歯を痛める「歯ぎしり・食いしばり」

歯ぎしりや食いしばりは、多くの人が無意識のうちに行っており、自覚がないまま歯や顎に大きな負担をかけています。これらは就寝中に起こることが多く、自分では気づかずに症状が進行してしまうことが少なくありません。

歯ぎしり・食いしばりは自覚しにくく、知らない間に歯や顎を痛めていることがあります。

無意識のうちに歯にかかる大きな負担

歯ぎしりや食いしばりは、「グラインディング(歯をこすり合わせる)」「クレンチング(ぐっと食いしばる)」という2つのタイプに分けられます。
特に寝ている間に発生する場合、本人に自覚がないため、朝起きたときの顎の疲れや、歯の違和感でようやく気づくケースが多いです。

このような繰り返される強い力が、歯の表面や歯ぐき、顎関節に深刻な影響を与えることがあります。
たとえば、歯がすり減る・ひびが入る・被せ物が割れるといった物理的なダメージに加えて、歯周病の悪化や顎関節症のリスクも高まります。

日常の中に潜む“無意識のクセ”

歯ぎしり・食いしばりは、睡眠中だけでなく、日中の集中している場面でも起こりがちです。
たとえば…

  1. パソコン作業中に画面を見つめながらぐっと力が入っている
  2. スマートフォンを見ているときに無意識に奥歯がかみ合っている
  3. ストレスを感じているときに奥歯をぐっと噛みしめる

このような“噛みしめ癖”は、日々の積み重ねで大きな負担になっていきます。

なぜ気づきにくいの?

歯ぎしりや食いしばりが厄介なのは、「音が出ない場合もある」ことや、「痛みが出るまで時間がかかる」ことが理由です。
そのため、周囲からの指摘や被せ物が壊れるなどの“結果”が出て初めて問題に気づくことも多いのです。

早期発見がダメージを防ぐカギ

自分では気づきにくい歯ぎしりや食いしばりですが、次のような兆候がある場合は、注意が必要です。

朝起きると顎がだるい・痛い

頭痛や肩こりが慢性的にある

歯がすり減っている、ひび割れている

被せ物や詰め物がよく外れる

周囲から「歯ぎしりの音がうるさい」と言われる

これらは歯ぎしり・食いしばりのサインかもしれません。

見えない習慣こそ、注意が必要です

歯ぎしりや食いしばりは、習慣になっていても気づきにくいものです。しかしその影響は、確実に歯や顎に現れてきます。
まずは「自分もやっているかもしれない」と気づくことが、歯を守る第一歩になります。

次の章では、こうした習慣が歯に与える具体的なダメージと全身への影響について詳しく解説していきます。

歯へのダメージと全身への影響

歯ぎしりや食いしばりによって、歯や被せ物・詰め物が欠けたりすり減ったりするだけでなく、顎関節症の原因になることもあります。慢性的な緊張が肩こりや頭痛につながることもあり、全身に悪影響を及ぼすこともあります。

歯ぎしり・食いしばりは歯だけでなく体にも悪影響を与えます。

代表的な影響

  • 歯の摩耗・破折:強い力が加わり、歯の表面がすり減る、ひびが入る、割れるなどの問題が起こります。
  • 被せ物や詰め物の破損:人工の歯は天然歯よりも脆く、強い力で壊れてしまうことがあります。
  • 歯周組織への負担:歯を支える歯ぐきや骨に余計な力がかかり、歯周病の悪化を招くこともあります。
  • 顎関節症:顎の筋肉や関節に負担がかかり、口が開きにくくなる・痛むといった症状が出ます。
  • 肩こり・頭痛:筋肉の緊張が肩・首・頭へ波及します。

歯ぎしり・食いしばりは一見無害に思えるかもしれませんが、実際には多くの部位に影響を及ぼします。放置せず、早めの対応が大切です。

日常に潜む原因とサインを見逃さないで

ストレスや噛み合わせの不調、生活習慣が歯ぎしり・食いしばりを引き起こす原因です。また、「朝起きると顎がだるい」「歯がすり減ってきた」などのサインにも注意が必要です。

歯ぎしり・食いしばりには原因とサインがあり、それを見逃さないことが重要です。

よくある原因

  1. ストレスや不安 → 精神的緊張が無意識に筋肉に力を入れる要因になります。
  2. 不正咬合 → 上下の歯のかみ合わせが悪いと、均等に力が分散されず特定の歯に負担がかかります。
  3. 集中している時間 → 作業中やスマートフォン使用時など、無意識に噛みしめていることがあります。
  4. 睡眠障害 → 睡眠の質が悪いと、就寝中の歯ぎしりが増えることがあります。

気づくためのサイン

  • 朝起きたときの顎のだるさや違和感
  • 歯の先端が平らになっている
  • 被せ物や詰め物がよく外れる
  • 家族から「歯ぎしりがうるさい」と指摘される

日常の中に原因やサインは潜んでいます。意識して観察することで、早めの気づきにつながります。

歯を守るためのセルフケアと治療法

自宅でできるセルフケアと、歯科医院で受けられる治療を組み合わせることが、歯ぎしり・食いしばりによるダメージを防ぐ鍵です。

セルフケアと歯科での治療を併用することで、歯を守れます。

セルフケアのポイント

意識的に力を抜く習慣をつける → 気づいたときに「上下の歯は離しておく」ことを意識するだけでも効果的です。

ストレスケア → 深呼吸、軽い運動、リラックスできる時間を設けましょう。

寝る前の習慣見直し → カフェインやアルコールの摂取を控え、睡眠環境を整えることで歯ぎしりを減らすことがあります。

治療法の一例

  • ナイトガード(マウスピース) → 寝ている間の歯ぎしりから歯を守ります。
  • 咬合調整 → かみ合わせを調整することで、力の分散をはかります。
  • ボトックス治療 → 筋肉の緊張をやわらげるための医療処置もあります。

歯ぎしり・食いしばりは、放置せずセルフケアと適切な治療を組み合わせることでコントロールが可能です。

歯科医院でできる具体的な対策とは?

歯科医院では、患者さん一人ひとりの症状に合わせたアプローチで、専門的な治療や予防法の提案が受けられます。

歯科医院では個別の対応で専門的な対策が受けられます。

歯科での主な対応

  1. ナイトガードの作製 → 型取りをして、ぴったり合う専用のマウスピースを作ります。
  2. かみ合わせの確認と調整 → 不正咬合がある場合は、治療を検討します。
  3. 被せ物や詰め物の再確認 → 壊れやすい被せ物や詰め物がないかを点検し、適切な修復を行います。
  4. 健診の実施とアドバイス → 歯の状態を定期的に確認することで、早期発見・早期対策が可能です。

歯科医院での継続的なケアにより、歯へのダメージを最小限に抑えることができます。

歯を守る第一歩は「気づくこと」から

歯ぎしり・食いしばりは、多くの人が抱える身近な問題です。だからこそ「放っておかない」「気づいたらすぐ相談する」ことが何より大切です。大切な歯を守るため、今日から意識を変えていきましょう。

早めに気づいて対策することで、歯へのダメージを防げます。

まとめ

あなたの歯と笑顔を守るために、今できることから始めましょう

歯ぎしりや食いしばりは、決して珍しいものではありません。多くの患者さんが「まさか自分が…」と驚かれますが、気づかないうちに歯や顎に大きな負担をかけてしまっているのが現実です。

でも、ご安心ください。
早めに気づき、対策を始めれば、歯を守ることは十分に可能です。

「朝、顎がだるい」
「歯がすり減ってきた気がする」
「被せ物がよく取れる」

そんな小さなサインに気づいたら、それが最初の一歩。
歯科医院では、あなたに合った方法で丁寧にサポートします。セルフケアを取り入れながら、必要に応じて専門的な治療を受けることで、大切な歯を守ることができます。

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