矯正治療をするとほうれい線は濃くなる?見た目への影響を専門的に解説
矯正治療をするとほうれい線に影響はある?

矯正治療が直接ほうれい線を「作る」わけではありません。ただし、歯並びや口元のボリュームが変わることで、見え方に影響する可能性はあります。

顔の印象は、骨格・筋肉・皮膚・脂肪・歯の位置が複雑に関係して決まります。矯正治療は歯の位置を整える治療ですが、その結果として口元のバランスが変化し、ほうれい線の見え方が変わることがあります。

この記事はこんな方に向いています

  • 矯正治療で顔が老けて見えないか心配な方
  • ほうれい線が目立つ原因を知りたい方
  • 抜歯矯正を検討している方
  • 見た目の変化を理解したうえで治療を選びたい方

この記事を読むとわかること

  1. 矯正治療とほうれい線の関係
  2. 影響が出やすいケースと出にくいケース
  3. 抜歯・非抜歯で変わるポイント
  4. 後悔しないための判断基準

 

なぜ「矯正するとほうれい線が出る」と言われるの?

歯の位置が変わることで口元の突出感や唇のボリュームが変化し、その結果、ほうれい線の影が強調されることがあるためです。ただし、すべての方に起こるわけではありません。

歯の位置が変わると、口元の立体感が変わるためです。

ほうれい線は皮膚のしわだけでできるわけではありません。頬の脂肪量、口元の突出感、表情筋の張りなどが関係しています。

例えば出っ歯傾向がある場合、唇が前に押し出されているため、頬との境界がなだらかになります。その歯を後ろに下げると、唇のボリュームが減ったように見え、影が目立つことがあります。

ただし、これは「老化した」という意味ではありません。
立体構造が変わった結果、光の当たり方が変わっただけです。

ほうれい線の見え方に影響する要素

ほうれい線の見え方が変わる背景には、顔の複数の構造要素が関係しています。
以下の表は、その主な要因を整理したものです。

要素 内容 矯正との関連
皮膚の弾力 加齢により低下 直接関係なし
頬の脂肪量 多いと目立ちにくい 痩せ型は影響を受けやすい
口元の突出度 前に出ていると影がなだらか 前歯後退で変化する場合あり
表情筋の張り 口周囲筋の緊張状態 噛み合わせ改善で変化することあり

このように、ほうれい線は単独の原因でできるものではありません。矯正治療はその一要素である「口元の突出度」に関わる可能性がある、という理解が適切です。

抜歯矯正はほうれい線に影響しやすい?

抜歯矯正では前歯を大きく後退させるケースがあるため、口元のボリューム変化が生じやすいです。しかし適切な診断のもとで行えば、過度に平坦な口元になることは通常ありません。

前歯の後退量が大きい場合は影響が出る可能性があります。

抜歯矯正で懸念されるのは「口元が下がりすぎるのでは」という点です。

影響の出やすさは以下に左右されます。

  1. もともとの口元の突出度
    → 元々大きく前に出ている場合は、後退してもバランスが整いやすいです。
  2. 顎の骨格バランス
    → 上顎と下顎の位置関係によって見え方は変わります。
  3. 頬の脂肪量
    → 脂肪が少ない方は影が出やすい傾向があります。
  4. 年齢
    → 加齢により皮膚のハリが減っていると影が強く出ることがあります。

つまり、「抜歯=ほうれい線が深くなる」ではありません。
顔全体のバランスで考えることが重要です。

抜歯矯正で変化しやすい部位

抜歯矯正の影響をより具体的に理解するため、変化しやすいポイントをまとめます。

変化部位 起こり得る変化 影響の出やすさ
上唇の厚み やや薄く見えることがある 個人差あり
鼻下の長さ 長く見えることがある 骨格による
横顔ライン Eラインが整うことが多い 改善例が多い
口元の立体感 フラットに見える場合あり 症例による

これらはすべて「過度な移動」が前提ではありません。適切な診断と計画があれば、バランスを崩すことなく整えることが可能です。

非抜歯矯正なら安心?

非抜歯矯正でも歯列の拡大や歯の傾きの変化によって口元の印象は変わります。ほうれい線への影響がゼロとは言い切れません。

非抜歯でも見た目は変わります。

非抜歯矯正は歯を抜かないため安心と思われがちですが、

  1. 歯列を横に広げる
  2. 前歯の傾きを変える
  3. 奥歯の位置を調整する

などの動きにより、口元の立体感は変わります。

むしろ、不正咬合が改善されることで口呼吸が減り、頬や口周りの筋肉の使い方が改善されるケースもあります。その結果、フェイスラインが引き締まることもあります。

見た目は単純な「減る・増える」ではなく、「再配置」と考える方が正確です。

非抜歯矯正で起こり得る見た目の変化

非抜歯矯正でも印象変化は起こります。
どのような変化が想定されるかを整理します。

治療内容 起こり得る変化 ほうれい線への影響
歯列拡大 口元が横に広がる印象 影響は小さいことが多い
前歯傾斜調整 唇の支えが変化 わずかな印象変化
奥歯移動 噛み合わせ安定 間接的に筋肉バランス改善
咬合改善 表情筋の使い方が変化 若々しく見える場合あり

非抜歯でも「変化ゼロ」ではありません。しかしそれはマイナス変化とは限らず、全体の調和を高める方向に働くこともあります。

ほうれい線を防ぐためにできることは?

矯正治療前の精密な診断と、顔貌予測の共有が重要です。また、表情筋の使い方や口呼吸の改善も関係します。

診断と筋肉バランスがカギです。

予防のために重要なのは、

  1. セファロ分析などの骨格診断
  2. 顔貌予測の説明
  3. 治療後のシミュレーション確認
  4. 口呼吸の改善
  5. 表情筋トレーニング

歯並びだけを見て治療を決めるのではなく、顔全体の設計図として考えることが大切です。

歯科治療は単なる歯の移動ではありません。「顔の構造の再設計」に近い行為です。ここを理解せずに治療を選ぶと、思っていた印象と違うと感じることがあります。

結局、矯正治療で老けることはあるの?

適切な診断と計画のもとで行えば、老化を進める治療ではありません。ただし、口元のボリューム変化に敏感な方は違和感を覚える可能性があります。

老化を進める治療ではありません。

ほうれい線は主に

  • 加齢
  • 皮膚の弾力低下
  • 脂肪の下垂
  • 表情筋の衰え

によって形成されます。

矯正治療はこれらを直接悪化させるものではありません。

むしろ、

  • 噛み合わせの改善
  • 口呼吸の改善
  • 表情筋のバランス向上

によって、顔の印象が若々しくなるケースもあります。

矯正による変化と加齢変化の違い

矯正治療と加齢変化の違いを明確に整理します。

比較項目 矯正による変化 加齢による変化
原因 歯の移動 皮膚・脂肪・筋肉の衰え
進行性 治療期間内で完結 年齢とともに進行
コントロール性 設計可能 予防は可能だが制御困難
改善可能性 再調整可能 美容医療等が必要な場合あり

この表からもわかるように、矯正治療は老化を進めるものではありません。構造を整える医療と、時間経過による変化は本質的に異なります。

まとめ

矯正治療がほうれい線を作るわけではありません。しかし、口元のボリュームや立体感が変わることで、見え方に変化が出る可能性はあります。

大切なのは、

  • 骨格を含めた精密診断
  • 顔貌変化の説明
  • 治療後のイメージ共有

を十分に行うことです。

矯正は歯だけの問題ではありません。
顔全体のバランスを整える医療です。

見た目の不安があるなら、それは遠慮せず相談すべき正当な疑問です。
そこを曖昧にしない医院こそ、信頼できる選択肢になります。