歯と口のトラブル

歯を失ってしまう原因とは?どうやって歯を守ればいいの?

男女

「歯が抜けるのはどうして?」
「歯を失わないためにはどうしたらいいの?」

年齢に関わらず、歯を失ってしまうことがあります。歯を失うのは多くの場合、虫歯や歯周病が原因です。それぞれについてご説明します。

歯を失うのは老化のせいではない

様々な年代の女性

高齢になれば確かに歯の本数が減っていく傾向にあります。しかし加齢が原因で歯が抜けるということはありません。

高齢になれば老化のために歯茎や骨が衰えて歯がグラグラし出してやがて抜けてしまうと思っておられる方がおられますが、それは誤解です。

歯を失う主な原因は虫歯と歯周病です。

つまり、虫歯と歯周病の予防をしっかりとやっていれば、何歳になっても健康な歯を維持することが出来るということです。

実際に歯を失った方の約4割が歯周病が原因です。次に多いのが虫歯で、虫歯がひどくなったために抜歯しなければならなかった方が3割おられます。

歯を失う原因1.虫歯

虫歯の説明用模型40代までの方が歯を失う原因は、虫歯が最も多いです。

虫歯の原因菌で良く知られているのがミュータンス菌です。
虫歯菌はお口の中に食べ物や飲み物として入ってくる糖分をエサにして増え、糖分を代謝する際に発生する酸によって歯を溶かしていきます。

虫歯が出来るまで

虫歯の進行

歯の表面を覆っているエナメル質は、人間の体内では一番硬い組織で、硬い食べ物をバリバリと噛み砕くことが出来ますが、酸にはとても弱く、虫歯菌が出す酸で少しずつ溶けてしまうのです。

酸で穴があいたエナメル質の内部は、象牙質というやわらかい組織です。そのため象牙質に達した虫歯はどんどん進行して、虫歯の穴は大きくなっていきます。

やがて象牙質の内部の歯髄(神経)まで虫歯が達すると、ズキズキと痛み始めて、虫歯治療に於いては神経を取らなければなりません。

虫歯がもっと進行している場合は、神経が既に死んでしまい、歯の根の方まで虫歯菌に冒されると、歯を抜かなければいけなくなります。

大人の虫歯は二次虫歯と根面う蝕に注意

大人の虫歯は、一度治療した歯が何年もたって再び虫歯になる二次虫歯や、歯肉が下がってきて歯の根が徐々にむき出しになって起こる根面う蝕の方が多いです。

二次虫歯

銀歯の二次虫歯

虫歯治療をして何年もたつと、詰め物・被せ物が劣化したり、逆に歯が削られたりして、詰め物・被せ物と歯の間に隙間が出来てきます。そこから虫歯菌が入り込んで、詰め物や被せ物の下で虫歯が発生するのが二次虫歯です。

二次虫歯は発見が送れる傾向があり、特に神経をとって被せ物をしている場合は痛みを感じませんので、かなり悪くなってから気付くことが多いです。

そのため、二次虫歯が起こっている場合には、抜歯になってしまうこともあります。

根面う蝕

老化や歯周病によって歯茎が徐々に下がってきて、今までは歯茎に覆われていた部分が露出することがあります。

その部分はエナメル質に覆われておらず、とてもやわらかい組織なので、虫歯菌の酸によって溶かされやすく、気をつけなければ虫歯になってしまいます。これを根面う蝕と呼びます。

根面う蝕にならないように、定期健診で歯のチェックを受けましょう。

歯を失う原因2.歯周病

歯周病の進行

歯を失う大きな原因はもう一つあります。それは歯周病です。

歯周病は日本人の8割以上がかかっているともいわれ、細菌では若い人の歯周病も増えましたので、若いうちから注意が必要です。ちなみに、昔は歯槽膿漏といわれ、シニアの病気とされていました。
歯周病の原因は、虫歯と同じく細菌によるものです。歯周病を引き起こす菌はポルフィノモナス・ジンジバリス、トレポネーマ・デンティコーラ、タンネレラ・フォーサイセンシスの3種類が代表的なものです。

歯周病の症状は?

歯周病菌は空気を嫌いますので、歯と歯茎の隙間に入り込んで組織を破壊し、歯周ポケットを作っていきます。そうすると歯茎が炎症を起こして腫れますので、歯科医師や歯科衛生士は患者さんの歯茎を見ただけで歯肉炎を起こしていることがわかります。

歯肉炎は歯周病の初期段階で、歯垢や歯石を落として歯と歯の間などを清潔に保つことで炎症は改善します。歯科医院の定期健診に通っている方は、この段階で治療を始められると、これ以上の歯周病の悪化を食い止めることが可能になります。

しかし歯肉炎に気付かずに生活していると、やがて歯周病が進行していき、歯周ポケットが深くなって、歯茎が下がるということが起こってきます。

すると、歯茎に埋まっていた象牙質の部分が露出して、知覚過敏の症状が出てくると共に、歯周病菌は歯周ポケットの奥深く入り込んで、歯を支える骨を破壊し始めます。

歯周病菌による歯槽骨の破壊が始まると、歯はグラグラし始めます。そしてそのまま抜けてしまうのが、歯周病の怖いところです。

歯周病の症状は緩やかで、かなり悪くなるまではご本人は気付くことが出来ません。歯肉炎が見られる状態から歯を失うまでは、15年~30年程度かかります。

歯周病の初期の段階で治療を開始すれば改善しますので、早いうちに何とか食い止めたいものです。

歯を失わないための治療や生活習慣

歯磨き

虫歯や歯周病を防ぐための治療や生活習慣は色々あります。一つひとつ心がけていきましょう。

  • 毎日しっかり歯磨きする
  • 糖質に偏らない食生活
  • 食事や間食は時間を決めてとる
  • ストレスの少ない生活
  • 鼻呼吸
  • 歯科医院での歯の定期健診(歯のクリーニング)
  • 生活習慣病にならないよう気をつける
  • 禁煙

歯を失わないための予防歯科(定期健診・クリーニング)

メンテナンス

セルフケアをどんなに頑張っても、歯と歯の間や歯と歯茎の間の汚れは取れにくく、歯石になってしまうとなおさら取り去ることが出来ません。

そのため、虫歯と歯周病のチェックも兼ねて、3ヶ月に一度程度の頻度で歯医者の定期健診を受けることをおすすめします。

当院ではエアフロー、PMTCでのクリーニングを行っており、歯周病の検査として歯周ポケットの深さや出血の有無、歯の動揺の有無も調べます。

歯周病の初期の段階ならこれだけでかなり改善しますし、既に中度以上の歯周病にかかっている方も、症状の進行を抑えることが出来ます。

まとめ

歯を失う原因の多くは歯周病と虫歯であること、そしてそれらの予防方法をご説明しました。歯の病気は初期治療が肝心で、手遅れになると歯を失うことにつながります。虫歯や歯周病を早く発見するためには、3ヶ月に一回程度の歯の定期健診をおすすめします。