保険で銀歯にするメリットは？

なんばクローバー歯科　歯科医師　共田 京太

保険で銀歯にするメリットとは何でしょうか。今日は銀歯についてのメリット・デメリットなどご案内いたします。

保険でできる虫歯の治療法に銀歯あり

むし歯や歯周病に一度もかかったことがないという方は少ないかもしれません。歯質や生活習慣、セルフケアの程度によりますが、子供の頃、もしくは成人してからむし歯になってしまった経験をされた方が多いでしょう。 初期むし歯の場合は、きちんと歯磨きを行えば唾液の自浄作用で再石灰化し、治ります。ただ、白い歯に一点茶や黒い変色が見られたり、穴が開くことがあれば、歯科医院で早めに対処してもらう必要があります。むし歯の範囲にもよりますが、小さな虫歯ならば詰め物（インレー）で、大きな虫歯ならば被せ物（クラウン）と呼ばれる処置になります。保険適用内の治療か、保険適用外の治療かを選択されることにより、歯科医師が使用できる素材が異なります。

保険の銀歯にするメリット

では、保険の銀歯にするメリットは何でしょうか。 このような特徴があると思います。 保険適用内の銀歯は、健康保険の適応範囲に入るため、自己負担額三割で作製することができます。そのため、虫歯の箇所をきれいに削り取って除去すれば、自由診療と比べて入れやすいです。 噛むという機能性については、銀歯は強度があるため、セラミックなどと同じ程度に噛める丈夫な素材です。コンポジットレジンで処置しては割れてしまうことがある奥歯などに使用できます。CAD/CAM冠はハイブリッドセラミックとプラスチックを混ぜたコンピューターで作製する歯で天然の歯の色に近いですが、歯ぎしりや食いしばりのくせがある方にはおすすめできません。

保険の銀歯にするデメリット

反対に保険の銀歯にするデメリットもご紹介します。 このような特徴があります。 前歯の近い部分に銀歯があると、治療を行った銀歯部分が非常に目立ってしまいます。銀歯は金属なので、噛む力がかかることにより、どんどん変形します。時間が経てば、銀歯と歯の間に僅かに隙間が生まれてしまい、その隙間の歯垢（プラーク）を除去することが難しくなります。歯垢はむし歯菌（ミュータンス菌）の住処ですので、被せた中に入り込み、歯の内側を侵食しますが、銀で覆われているため外側からはわかりにくく、痛みや症状が出たころには重度の虫歯になっている可能性が高いです。 銀歯は金銀パラジウム合金という金属で作製されています。唾液により金属が錆び、イオンが徐々に溶け出して、体内に蓄積されれば、皮膚の炎症などの金属アレルギーを引き起こす方もおられます。また、銀イオンが歯ぐきに沈着してしまうと、黒ずみを起こすことをメタルタトゥーと呼びます。歯の根元の歯茎が差し歯や被せ物で銀合金を使用している方に生じる現象で、歯肉の表面をピーリングで剥がすという処置が必要になります。

保険適用外の素材とは

先程ちらりと挙げましたが、保険適用外の素材には様々な種類があります。セラミックという処置は、歯を少し削り、セラミックの被せ物を被せる治療です。ただ、そのセラミックの中にも、料金の違いや性質の違いがあります。 オールセラミックは歯科技工士が作製するセラミックの歯で、審美性が高くセラミック100％の素材で作ります。天然の歯と同じ色合いにすることができます。

保険で銀歯にするメリットに関するQ&A

まとめ

むし歯の処置の時には保険で銀歯を入れてもらったけれど、年月が経ち、やはり目立ちが気になるという方もおられるでしょう。その場合は、予約制の無料審美カウンセリングを行っているクリニックを探して、ドクターやスタッフに相談してみましょう。