
インビザライン矯正は、目立ちにくいマウスピースを用いる歯列矯正の方法で、取り外しが可能なため食事の制限がなく歯磨きも普段通りに行えます。しかしインビザラインで矯正を始めるにあたって気をつけるべきポイントがありますので、ご紹介します。
目次
インビザライン矯正で注意すべきポイント

1. マウスピースの管理

インビザラインでは治療終了までに使う全てのマウスピースが一度に納品されます。歯科医院によって、それを何回分かに分けて患者さんにお渡しする場合と、一度に全てのマウスピースを患者さんに一度にお渡しする場合があります。
渡されたマウスピースの保管や管理は、患者さん自身で行わなければなりません。
上下顎の矯正の場合、マウスピースは上下分の2枚が一組になって袋に入れられています。何番目のマウスピースであるかは、袋に印字されていますので、マウスピースの交換の時にはその番号を間違えないようにしましょう。
2. 食事の前後のマウスピースと歯のケア

インビザラインで矯正治療を行う場合は、食事の前にマウスピースを外します。外したマウスピースは、紛失しないようにきちんと専用ケースに入れて保存しましょう。
また、食事後はなるべく早く歯みがきをして、マウスピースもきれいに洗ってから再装着します。
外出先で歯磨きが出来ない時は、水でお口の中をしっかりゆすぎましょう。マウスピースを洗えない場合は、ウエットティッシュでマウスピースを軽く拭いて再装着しましょう。
3. 長時間の装着

インビザラインは1日22時間以上の装着を推奨しています。1日の間に食事などで何回か外すことになりますが、なるべく早く再装着、長時間装着出来るようにしましょう
マウスピースを外している時間が長くなると、歯並びが少し後戻りを起こしたり、治療計画通りに歯が動かず治療が長引くことがありますので、注意しましょう。
4. アタッチメント、顎間ゴムの使用
インビザラインでの治療は、マウスピース以外に、歯にアタッチメントと呼ばれるレジンの突起物を付ける必要があります。また、歯を強く引っ張る目的で上下の歯の間にゴムをかける場合があります。
ゴムは患者さん自身でかけたり外したりする必要があります。上下の歯にゴムをかけると、口が開きづらくなり、喋りにくいなどの問題が起こることがありますが、担当医から説明を受けた通りにかけるようにしましょう。
5. 紛失しないように注意する
マウスピースは取り外しが可能なので、とにかく紛失しないように気をつけましょう。紛失した場合は、1つ前、または1つ後のマウスピースをつけます。
どちらもはまらない場合は、マウスピースを再製作する必要があり、新しいマウスピースが届く迄に2週間程度待つ必要があります。その間はリテーナーと呼ばれるマウスピース型の保定装置をつけて歯並びを固定します。
マウスピースを紛失すると、そのような手間がかかりますので、出来る限り紛失しないように気をつけましょう。
6. ワイヤー矯正の併用が必要な場合がある

抜歯矯正で出っ歯や受け口を大きく引っ込める必要がある場合は、抜歯して出来たスペースがある程度埋まるまでの間はワイヤー矯正を行い、その後インビザラインで治療をする場合があります。
ワイヤー矯正は固定式で、患者さん自身は外せませんので、ワイヤー交換時に痛みが出やすいことと、歯磨きがしっかり出来るように慣れる必要があります。
7. 治療期間が当初の計画よりも伸びる場合がある
インビザラインでの治療は治療前に治療計画を作成し、始めに全てのマウスピースを作製します。しかし、実際には動きやすい歯と動きにくい歯があるため、途中で治療計画を変更する場合もあります。
治療計画を変更すると、もう一度その時点からのマウスピースを作製する必要があります。その為、新しいマウスピースが手元に届く迄の間、待ち時間が発生します。
まとめ

インビザライン矯正は、目立ちにくいマウスピースを使用する歯列矯正の方法です。取り外し可能で食事の制限がなく、歯磨きも容易に行えますが、治療中のマウスピースの管理、適切なケア、長時間の装着、アタッチメントや顎間ゴムの使用、マウスピースの紛失予防、ワイヤー矯正の併用、及び治療期間の変更の可能性など、事前に把握しておくべき重要なポイントがあります。
治療の成功のためには、これらのポイントを理解し、担当医の指示に従って適切なケアを心掛けることが大切です。