歯周病の進行度の目安の一つとして、歯周ポケットの深さがあります。歯周ポケットについてご説明します。
歯周ポケットとは?
歯周ポケットとは歯の周囲をぐるりと取り囲んでいる歯肉(歯茎)との境目の溝のことです。歯垢は歯と歯の間や歯と歯茎の隙間に溜まりやすく、歯垢の中には歯周病菌などの細菌が棲みつき増殖します。
歯周病菌が増えてくると歯垢の中の歯周病菌が出す毒素で歯肉が炎症を起こします。歯周病菌は空気を嫌う性質をもっているため、歯と歯茎の隙間をどんどん奥へ入っていき、歯周ポケットは深くなっていきます。
歯周ポケットが深くなる菌が増殖する
歯と歯ぐきのすき間や溝は、口の中の菌の良い住処になります。健康な人の歯周ポケットの深さは3ミリ以下で、それ以上の深さになるとその分だけ細菌が多く棲みつくことになります。
歯磨きをサボりがちだったり、生活リズムが悪い人、歯のケアが十分ではない人は、歯ぐきが腫れることがあります。ブヨブヨとした感触になった歯ぐきは要注意です。歯周ポケットが4ミリ以上になると、歯周病菌は骨を溶かし始めます。歯周ポケットはさらに深くなり、細菌の温床となる悪循環が起こります。
健康な人ならば、20代まではほとんどの方が歯周病になることは少ないです。ただし、疲労やストレスを抱えたり、加齢による抵抗力の低下などで、一度骨が溶け始めてしまうと、歯周病の進行スピードは瞬く間に速まるといわれています。
歯周ポケットが深くならないようにするには
日頃から歯周病を予防し、歯周ポケットが深くならないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。歯周病にならないためには歯垢がたまらないように、歯と歯茎の間を丁寧にブラッシングすることが大切です。
歯科医院の定期健診ではプロービングと呼ばれる目盛りがついた細い針のような器具でポケットの深さを測り、歯周ポケットや歯ぐきの状態をチェックします。健康な歯の歯周ポケットの深さは2ミリ程度で、3ミリ以上になると歯周病が進行しないように注意することが必要です。
歯周ポケット内の清掃はプロの専門的なクリーニングが必要
歯周ポケットに棲みついた菌は歯周病を進行させていきますので、出来る限り歯周ポケット内もきれいにしなければなりません。しかし歯みがきで清掃できるのは歯周ポケットの1~2ミリ程度です。それ以上の深さになると歯ブラシの毛先が届きませんので、セルフケアではきれいいすることが出来ません。
ではどうすれば良いのかというと、歯科衛生士が専用の器械を使って歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去します。
歯垢を除去しないと古い部分から硬くなり、「歯石」になります。歯石になってしまうと、なかなか日々のブラッシングで取ることは難しいです。歯石は表面が粗くデコボコしているため、さらに菌が付着しやすくなっています。
歯周病を進行させないためには、正しい歯のブラッシング方法と、歯科医院での定期健診とクリーニングが大事です。
まとめ
歯と歯茎の間の境目をきれいにするには、歯みがきが大切ですが、デンタルフロスや歯間ブラシも使って出来るだけ歯垢をきれいに落とすようにしましょう。歯垢の除去を徹底して行うことで軽度の歯周病は改善していき、歯周ポケットの深さも浅くなっていきます。それでも落としきれない汚れは歯科医院での定期健診できれいにしてもらいましょう。