
ダイレクトボンディングとは
ダイレクトボンディングは、コンポジットレジンと呼ばれる歯科用樹脂を直接歯に盛り付け、形を整えて歯を修復する治療法です。比較的短時間で治療が終了し、セラミック治療に比べて費用も抑えられるため、前歯の審美性を重視する方に向いています。ダイレクトボンディングの材料と特性
審美歯科のコンポジットレジンは、保険適用のそれと異なり、自己負担額の高い自由診療に該当します。当院では硬質レジンを使用して、前歯の欠けやすり減り、小さな隙間を埋めるために使用しており、その自然な歯の仕上がりが人気を集めています。ダイレクトボンディングでは必要最小限の歯質を削るだけなので、歯の健康を長期的に保てます。また、セラミック治療と比べて短期間の通院であるため、忙しい方に適しています。どんな前歯ならば治療可能?
- 小さな虫歯を治療したい
- 前歯の一部の色が白濁している(ホワイトスポットがある)
- 前歯がすきっ歯である(空隙歯列である)
- 一本だけ前歯が小さい(矮小歯がある)
ダイレクトボンディングの治療の流れ
では、おおまかなダイレクトボンディングの治療の流れをご案内します。①カウンセリングを行う
歯科医師が患者さんの前歯の状態を確認し、ダイレクトボンディングが適しているかどうかを診断します。②歯の準備
必要があれば修復する部分の歯を少し削りますが、ほとんどの場合最小限の削りで済みます。③レジンの選択と適用
患者さんの自然な歯の色に合わせたコンポジットレジンを選び、歯に直接盛っていきます。④成形と硬化
レジンをご希望の形に整え、特殊な光を当てて硬化させます。⑤仕上げと調整
硬化したレジンを研磨していき、天然歯のような艶を出します。
クリニックによっても異なりますが、1時間から1時間半ほどで完了し、すぐに日常生活に戻ることができます。
前歯のダイレクトボンディングを長持ちさせるには?
ダイレクトボンディングは優れた治療法ですが、長持ちさせるためには日常的なケアが重要です。定期的にメンテナンスへ通院
定期検診でチェックしてもらい、必要に応じて再研磨をすることをおすすめします。他の歯や歯肉を健康に保つという目的でも、痛みがない状態で歯科への定期通院を心掛けましょう。硬いものを避ける
ナッツや氷などの硬い食べ物を噛む際には注意が必要です。金属やセラミックに比べて強度は劣るため、ボンディングが欠けたり、剥がれたりするリスクがあります。適切なブラッシング
力を入れすぎず、ソフトな歯ブラシを使って優しくブラッシングすることで、レジンを盛った部分の摩耗を防ぎます。ホワイトニングとの相性
ダイレクトボンディングはホワイトニング剤の影響が及びません。ホワイトニングを検討している方は、必ずこの治療の前にホワイトニングを行いましょう。ダイレクトボンディングができない人
- 顎が成長途中で発育段階にある子どもである
- 歯の欠け方や虫歯の範囲が大きく神経まで進行している
- 優先して治療しなければならない虫歯や歯周病がある
- 被せ物をしている歯にダイレクトボンディングを希望された
- 噛み合わせに問題がある
代替治療法は?
どうしてもダイレクトボンディングが出来ない方は、下記のような代替治療を行いましょう。大きく欠けたり、歯が著しく損なわれている
セラミックで歯を整えるセラミック矯正、セラミックの薄い板を貼るラミネートベニアが適している場合があります。歯の内部からの変色が著しく激しく、ダイレクトボンディングでは完全に隠せないことがあります。この場合、ホワイトニングやラミネートベニアが適切です。噛み合わせの問題
噛み合わせに問題があると、ボンディングが長持ちしないため、再度他の治療が必要になる可能性があります。矯正治療が適切となり、歯ぎしりや食いしばりの態癖がある方も同様です。
被せ物をしている歯にダイレクトボンディングはできないため、被せ物の再作製が妥当です。また、顎が発達途中の方は成長が止まってから、治療を行いましょう。
まとめ
